行動力のある人は偉い?多動力が称賛され過ぎている問題について

一週間くらい前にツイッターで

「GACKTは仮想通貨で失敗したけど行動しているから偉い!

世の中には行動すら起こさない臆病な人間ばかりだから。」

みたいなツイートを見つけました。

ああ…、きっとこの人、ホリエモンの多動力を勘違いして解釈した可哀想な人なんだろうな~と思ってスルーしたのですが、こういう人、結構いるんじゃないでしょうか?

ホリエモンこと堀江貴文さんが本の題名にしていた「多動力」が称賛され過ぎているなあ・・・と感じたので、いまさらながら「多動力が称賛され過ぎている問題」について書いてみました。

多動力を勘違いしている

ホリエモンは”つべこべ言わず、とにかく行動しろ”といつも説いています。

このことで一部の人には「多動力=行動力」のように解釈されているようです。

行動しないよりは行動した方が確かに良いとは僕も思うのですが、それはその行動に「意味があるとき」や「成功につながるとき」に限られます

意味のない行動や成果につながらない行動をするのは、ホリエモンが言っている

「電話は害悪」

「効率よく仕事しろ」

と矛盾するからです。

だから何も考えずにただ単に手だけを動かして「行動した」と思い込んでいる人は勘違いしているにすぎず、言葉の意味を理解できなかったのかな?と僕には感じられます。

冒頭のツイートの例はまさにこの勘違いの典型例で、「とにかく行動すればいいんだ」と思い込んでいるフシがあります。

そういう勘違い野郎には、

お前、それ、違うからね

勘違いしているだけだからね

と、言ってやりたい。

冒頭のツイートではGACKTが例に出されていました。

ミュージシャンなのに全然畑違いの仮想通貨に参入する行動力だけを見れば、たしかにすごいようにも見えます。なかなかできることじゃないです。

でもね。詐欺に手を貸しちゃうのはマズいですよ。

やるからにはちゃんと内容を調べて、関係者のことを調べて、そのうえで全力で参入する必要があります。

どんなに頑張ったところで成功につながらないこと、GACKTにとってはむしろイメージを下げるマイナスな行動にしかならないことを「とりあえずやってみる」というのは、多動力とは言えないし称賛されるものでもありません。

GACKTの場合はネームバリューに目を付けた悪~い人たちに利用されただけにも見えますが、そういった人たちに騙されないことも大事です。

こういうことを書くとGACKTのファンに怒られそうですが、はたから見ると

あいつ騙されてやんのw

という見方もできます。

悪い連中に騙された挙句、ファンやGACKTコイン(スピンドル)を買った人たちのことまで巻き添えにしたGACKTの「行動」はとても称賛されるものではありません。

GACKT自身はきっといい人なんだと思うけど、

「とりあえずなんでもかんでも行動すればいい」

「行動しなかった者よりも行動した俺の方が偉い」

みたいに勘違いしている意識だけ高い人たちには、”騙されないための脳ミソ”という必要最低限の準備をしてから出直してもらいたいと感じました。

本来の多動力とは?

ホリエモンの言動をチェックするとわかるのですが、そもそも本来の多動力とは

  • ”完璧なものを目指そうとせずに”興味のあることはとりあえずやってみろ

こういった趣旨の言葉だとわかります。

いろいろと興味を持つものはあるけど、完璧なものを作ろうと思って行動に移せなかったり、断られたらどうしよう…と心配になったり、周りの人にどう思われるだろう?と周囲の目が気になってしまいなかなか行動に移せない人がいます。

そういう方たちのために、「失敗してもいいから、とりあえずやってみなよ!」と背中を押してくれるのが多動力という考え方。

ホリエモン自身、予防医療やロケット(宇宙開発)、料理、高校経営、アプリ開発、漫才、本の出版、メルマガ、YouTubeなどなど…興味があることにはとにかく挑戦しています。

この行動力だけを見て感化された人たちが「俺も!」ということでホリエモンを真似して、先ほど書いたような”勘違いした人たち”になっています。

都合よく解釈しすぎ

言葉の意図が理解できない頭の弱い人たちは、自分に都合の良いように解釈する傾向があります。

そういうひとたちにホリエモンの「多動力」という言葉が悪用されているように感じます。

本人たちは自分では気付けないので僕がなにをいっても無駄だと思うのですが、影響力のある人が言っているからといって妄信したりせず、言葉の意味や意図を正確に解釈したり、発言者の真意を見きわめる能力だけは捨ててはいけません。

言葉の意図が理解できない人たちによって「多動力」が称賛され過ぎている現状に、ちょっと違和感を抱きました。

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