葬儀費用ってブラックボックスに包まれており、結婚式と同じで「業者がこう言ってるんだからきっとこの値段が普通なんだろう。」と、高額でも何も考えずに払っちゃう人が多いと思います。
ただ、「この値段はオカシイ。ぼったくりだ!」と感じる人が多いのも事実。
そこで今回は、葬儀屋とは契約せず、残された家族だけで故人を見送る「セルフ葬」についてご紹介します。
葬儀屋にも家族葬プランとか格安プランがあると思うけど、間違いなくセルフ葬の方が安いので「葬式にお金をかけたくない!」という方は参考にしてください。
セルフ葬の手順
セルフ葬の手順はこちらのブログを参考にしました。
基本的な流れは以下のとおりです。
- 人が亡くなる
- 医師から死亡診断書を発行してもらう
- 遺体を棺に納める
- 火葬場まで棺を搬送する
- 火葬
この基本的な流れは状況によって少し変わりますので、
- 自宅で亡くなった場合
- 病院で亡くなった場合
の2つに分けてご説明していきます。
自宅で亡くなった場合
自宅で亡くなった場合は、一般的には
- 救急車を呼ぶ
- 警察にも連絡する
- かかりつけの医師がいる場合には、その医師にも連絡する
必要があります。
救急隊は状況にもよるでしょうが心臓マッサージやAEDなど、なにか処置をしてくれると思います。蘇生するかどうかはわからないけど。
蘇生しなかった場合はそのまま引き上げていきます。
警察に連絡しておくのは、事件性の有無を一通り調べる必要があるからです。
検視官が来たりするのもこのタイミング。なにごともなければ事件性なしとして処理されると思います。
あとはかかりつけの医師などを呼び、死亡診断書を書いてもらいます。死亡診断書は火葬などの手続に必要になります。
病院で亡くなった場合
病院で亡くなった場合はすぐ近くに医師がいるので、病院の医師に死亡診断書を書いてもらうことになります。
遺体の搬送
死亡診断書をもらったら、自家用車で自宅など落ち着ける場所に遺体を搬送します。
僕は「遺体は霊柩車でなければ搬送してはいけない」と思い込んでいたのですが、どうやらこの話には法的根拠がないそうです。
遺体の搬送を業務として日常的に行っている場合は許可が必要らしいのですが、普通の人は日常的に遺体を搬送するわけではないので問題なし。
つまり、一般人でも自家用車で遺体を搬送しても良いということです。
ただしこの場合、搬送中に警察の検問や職務質問を受けたときに遺体が同乗していると色々と面倒なことになるので、医師からもらった死亡診断書は携帯しておくのが良いそうです。
その他、セルフ葬の遺体搬送に伴う注意点には下記のようなものがあります。
遺体搬送の注意点
- 人は亡くなると各部分の筋肉が弛緩したりするので、便失禁などで車内が汚れる可能性があります。ビニールシートなどで車内を舗装し、そのうえで搬送するのが良いです。
- 腐敗が進むこともあるので、保冷剤(ドライアイスなど)が必要になります。
- 死後硬直がはじまっている場合は振動で遺体が傷つく可能性があるため、しっかり固定しておきます。遺体が損壊すると遺体損壊罪などに問われる可能性があります。
- 「故人との思い出の場所を周る」という名目で寄り道をしすぎると、遺体を遺棄しようとしているのではないか?と通報される危険があります。長時間にわたるドライブは遠慮した方が良いでしょう
- 人を運ぶのはけっこう大変です。1人で運べないときは家族や親せきなどの手を借りましょう。
納棺
ここからは亡くなった場所に関わらず、火葬までの流れは一緒です。
遺体を自宅まで運ぶことができたら、棺に納めます。
棺はAmazonで2万円~3万円くらいで売っているので、葬儀を格安・最安値で済ませたいのであればAmazonで購入することをおすすめします。
縁起が悪いですが、前もって棺を準備できる場合は予め準備しておくのがよさそうです。
配達まで2,3日かかる場合があるので、亡くなってから用意する場合は遺体が腐らないように保冷剤や氷で冷やすようにします。
また、Amazonで棺を購入する場合は、合わせて骨壺も買っておきましょう。
役所への届け出
医師からもらった死亡診断書を持って最寄りの役所へ行きます。
持ち物は
- 死亡診断書
- 印鑑
- 自分(遺族)の身分証明証
です。
死亡診断書を元に死亡届を提出すると役所から「火葬許可証」が発行されます。
火葬場への連絡
火葬場に連絡します。
火葬場は民間の火葬場と公営の火葬場がありますが、安さにこだわるのであれば公営を選ぶのが基本です。
そして場所によっては火葬料0円の自治体もあるそうなので、そういった場所に住民票を移しておくのがもっとも安く火葬できる条件になります。
各自治体には公営の火葬場があります。東京23区内では、「瑞江斎場」と「臨海斎場」の2つです(23区内の他の火葬場は民間です)。基本的に亡くなった方の住民登録地のあるところの火葬場は、組合員価格となりますので、火葬料の確認をしましょう。市町村によっては、組合員は火葬料0円、待合室0円などの所も多くあります。ちなみに、先にあげた「瑞江斎場」の火葬料は東京都民で58,300円、「臨海斎場」は港区・品川区・大田区・目黒区・世田谷区民で34,500円です。東京都内は高いのです。少しでも費用を抑えたいのであれば、事前に火葬料0円の市町村に住民票を移します
火葬場に連絡する際は
- 何月何日の何時ころに到着するのか?
- 火葬にはいくらかかるのか?
身近な人を亡くしたばかりで辛いかもしれませんが、ちゃんと確認します。
なお、死後24時間は蘇生の可能性があるため火葬はできないそうです(墓地、埋葬等に関する法律第3条「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。」)。
火葬場への搬送
遺体を棺に入れた状態で火葬場へと搬送します。
大人が亡くなった場合でも棺に入れなければ乗用車に乗せることが可能ですが、この段階では棺に入っています。そのため、棺を運べるだけの長さがある車を用意しておきましょう。
レンタカーを借りることもできますが、その場合は規約内に「遺体を運ぶのは禁止」といった文言がないかを確認する必要があります。
骨壺を用意している場合は忘れずに持っていきます。火葬場でも販売しているそうですが、おそらく高めの値段設定ではないかと思います。
役所からもらった火葬許可証も忘れずに持っていきます。
お別れ、火葬
火葬場に着いたら棺を車から降ろし、所定の場所へと運びます。1人では運べないと思うので、手伝ってくれる人が最低でも1人はいた方がいいですね。
火葬場によっては台車(ストレッチャー)を貸してくれるところもあるそうですが、自前で人手を確保しておいた方が無難でしょう。
あとは故人とお別れをして火葬を終わらせます。骨壺に遺骨を納めたら持ち帰って終了です。
セルフ葬にかかる費用
ここまでの費用をザックリと計算しておきます。
- 死亡診断書:3,000~1万円
- 遺体を運ぶ車:レンタカーなら1万円程度
- 保冷剤:3,000円くらい
- 棺:2~3万円
- 骨壺:2,000~4,000円
- 火葬料:自治体により0~8万円程度
火葬料に開きがありますが、告別式や葬式を行わず、また戒名を付けてもらったりお寺にお金を支払ったりしない場合、最安値で3万8,000円くらいで済ませられることになります。
あとは居住地域や宗教観、残された遺族の気持ち、生前の本人の意思や遺言によりますね。
まとめ
今回は葬儀屋とは契約しないセルフ葬についてご紹介しました。
現在の日本では人が亡くなると葬儀業者に任せることが多く、なかには「高い」「ぼったくり」という業者もあります。
また、明朗会計では無く料金に納得いかない場合もあるかと思います。
そういった葬儀業者に任せるのでは納得いかない場合には、セルフ葬をするのも1つの手ではないかと感じました。
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