僕は会社員時代に4年ほど寮生活をしていたことがあります。
若い男性社員用の寮で、1人1部屋の鍵付きの部屋があるもののトイレ、風呂、洗面所、食堂が共用でした。
会社の先輩や上司も住んでおり「完全にブラックな環境」だったのですが、今考えると勉強になったなあ…と感じることも多かったです。
今回は当時の経験から学んだ「寮生活のメリット・デメリット」についてお伝えします。
寮生活をしたことがないという方は、一度は寮生活を経験しておくといいですよ!
寮生活をするメリット
僕が寮生活のメリットだと感じたことは以下のことです。
【最重要】多様な価値観を知ることができる
もっとも特徴的で、なおかつ最大のメリットは「多様な価値観を知ることができる」です。
ほとんどの方は寮での生活をしたことがなく、自分の家族とだけ生活するか、一人暮らしの経験しかないと思います。
生まれ育った自分の家だけで生活したり一人暮らしをしていると、良くも悪くも”わが家のルール”に縛られることになります。
「99%の人間の最大の洗脳者は親である」
という言葉がありますが、自分の家から一歩も出ずに生活していると親の価値観をそのまま受け継いでしまい、親の価値観に染まりきってしまうんですね。
親の価値観を受け継ぐこと自体は悪いことではないのですが、困るのは、自分の親の価値観が全てだと思い込み、「他の家のルール」「他の家の価値観」を想像できなくなってしまうことです。
自分の家にわが家のルールがあるように、隣の家には隣の家のルールがあります。
そしてそれは、自分が当たり前だと思っていた価値観、考え方、やり方、優先順位とは全然違うものだったりします。
寮生活を経験することにより、これまで当たり前だと思っていた価値観、考え方、やり方、優先順位などが全然当たり前のものではなく、常識だと思い込んでいたことが実は単なる思い込みに過ぎなかったことに気付けます。
たとえば、「歯の磨き方」1つをとっても、洗面所で20分近く集中的に磨き続ける人がいれば、テレビを見たり本を読んだりしながら磨く人もいますし、5分くらいでサッと済ませる人もいます。
「洗濯用洗剤」などのアイテム1つをとっても、粉の洗剤を使う人もいれば液体洗剤を使う人もいますし、ビーズタイプの洗剤を使う人もいます。
そしてこれらの生活習慣やアイテムを買う時の基準は、その人が生まれた家庭によって決まっており、寮生活でもしない限り他の選択肢や方法があることを一生知らないまま生きることになります。
僕は寮生活をすることで
- いろんな価値観があること
- いろんなやり方があること
- いままで当たり前だと思っていたことが、他の家庭では当たり前ではなかったこと
を身をもって知ることが出来ました。
「多様な価値観があると気付けたこと」「自分の家の常識が、世間では常識ではないかもしれないと気付けたこと」は非常に大きなメリットだと感じています。
また、
「学習の能力の高い人の生活習慣と価値観」
「お金が貯まる人の生活習慣と価値観」
「要領が良い人の生活習慣と価値観」
を一緒に生活しながら見ることが出来たり、彼らの時間の使い方を間近で知ることができたりしたのも僕にとって大きな財産です。
これだけ寮生活のメリットを熱弁すると「寮生活なんてしなくても、友達の家に泊まりに行っても同じ効果が得られるのでは?」と感じる方がいるかもしれません。
しかし友人宅に遊びに行っているときは、遊びに行っているその時間しか他人の家のルールや価値観を見ることはできないし、 「お客様への対応」をしている姿しか見ることができません。
本当の意味での価値観やルールを知るにはリラックスしきった”素の状態”を見るしかないので、同じ釜の飯を食いながら一緒に生活できる寮生活でないと、他人の価値観を知ることができないです。
お金が貯まる
寮生活は生活コストを抑えられるので、お金を貯めたい方はお金を貯めることができます。
一緒に住んでいる人たちの間でモノの貸し借りができたりもするので、 自分で買うモノの数も減らせます。
自家用車を持っている人と仲良くなれれば、買い物に行く際にスーパーまで送ってもらえたり出掛ける時に最寄り駅まで乗せてもらえたりもします。移動も楽になるわけです。
実家で生活しているのと同じくらい生活コストを抑えられるので、お金を貯めたい方にとって寮生活は良い選択肢になります。
コミュニケーション能力が高まる
一緒に住んでいるメンバーにもよりますが、寮生活では赤の他人と一緒の空間で生活するので、嫌でもコミュニケーション能力が高まります。
僕は会社の同期や先輩、若手の上司が一緒の寮にいたので、顔を合わせる機会があればいつも挨拶したり話しをしたりしていました。
こちらが黙っていても勝手に話しかけてきたりすることもあるので最初は苦痛でしたが、慣れれば気にならなくなります。
おかげで世間話くらいなら初対面の人とでも話せるようになったので、コミュ障を改善したいという方は、寮のある企業で勤めるといいかもしれません。
寮生活のデメリット
寮生活のデメリットについても触れておきます。
プライベートな時間・空間が少ない
僕が住んでいた寮は個人の部屋が用意されており、洗面所、風呂、食堂、トイレなどの水場だけが共通でした。
いちおう自分の部屋があるのである程度のプライバシーは確保されているのですが、風呂に入れば誰かが先に入っていることがあるし、部屋から一歩出れば、他の寮生に会う可能性があります。
ゆっくりご飯が食べたい時に苦手な先輩が食堂にいるから早く済ませることもありますし、外出するときに「帰りにアレ買ってきて。」とおつかいを頼まれることもありました。
こういう生活が耐えられないとか、常にだれかの気配を感じていると気分が落ち着かないという方には、寮生活は苦痛に感じるかもしれません。
ただ、最初は最悪だと思っていた環境も住めば都で意外と慣れます。
水虫、ノロウイルスなど、感染症の感染リスク
集団生活をすることになるので、一人暮らしをするよりも感染症のリスクが高まります。
しかも家族や親戚ではなく全くの他人と生活することになるので、どんな感染症のリスクがあるかわかりません。
僕は感染したことはありませんが、寮生活をすると水虫になると聞いたことがありますす。また、一緒に住んでいた仲間がノロウイルスに感染したことがあります。
ノロウイルスの感染者は専用の個室トイレを割り当てたり部屋から一歩も出ないようにさせたりすることで二次感染を防げますが、トイレの数が少なかったり1部屋を複数人で共同利用しているような場合だと、感染症は避けられないかもしれません。
寮生活をする場合は事前にどんな感染症のリスクがあるかよく調べておき、なんらかの対策を自力で打てるようにしておくのが鉄則ですね。
モノが無くなることがある(らしい)
僕が住んでいた寮は1人1部屋が割り当てられていたのでモノの紛失はありませんでしたが、聞くところによると、寮生活をするとモノが無くなることがあるそうです。
僕が聞いた話では、ハンガーに吊るしていたジャケットがいつの間にか消えており、数時間後に見たら元の場所に戻っていた事例や、スニーカーを履こうと思ったら見つからず、翌日再度探したらすぐに見つかった事例などがあります。
貴重品やモノの管理はしっかりし、紛失や盗難がないように気を付けなければなりません。
一人暮らしをするときのように、その辺に脱いだ服やモノを放置したりできないのが寮生活のデメリットですね。
結婚前に一度は経験すべし!
寮生活についていろいろ書いてきましたが、もしも将来結婚する可能性があるという方がいれば、一度は寮生活を経験しておくことをおすすめします。
結婚経験のない僕がこんなことを書いても全然説得力がないのですが、結婚後にパートナーの価値観や生活態度を知ってケンカになり、別れてしまったという話をときどき聞きます。芸能人がよく使う「価値観の相違」ってやつですね。
寮生活を経験しておけば、「いろんな価値観の人がいること」「我が家のルールが世間の常識ではないこと」を身をもって知ることができます。
「風呂場で歯磨きする人」
「食事へのこだわりが強い人」
「普段は倹約家なのに、文房具や掃除道具にはお金を惜しまない人」
「趣味のためならどんな仕事でも頑張れる人」
「酒癖の悪い人」
「ガチ右翼の人」
など、本当にいろんな価値観の人がいます。
いろんな人を間近で見ることで「ああ、こんな人もいるんだな。」と、良い意味で達観したり相手のことを”許す”ことができるようになったりします。
寮生活をすれば、たとえ相手がどんな人でも「相手の価値観を認め、自分と合わないときは上手くかわす方法」を身に付けることができるので、結婚後にパートナーの意外な一面(しかも悪いもの)を知ってしまったときでも、上手くやっていけるはずです。
同棲しても似たようなことが経験できますが、しょせんは同棲相手”1人”のことしか理解することができません。
もっとたくさんの事例を知るためには寮生活を経験するのが最適じゃないかな?と感じます。
まとめ
まとめです。
寮生活を経験することにより、
- 多様な価値観を知ることができる
- お金を貯めることができる
- コミュニケーション能力を高めることができる
というメリットがある
その一方で、
- プライベートな時間と空間が減り
- 水虫などの感染症のリスクは高まり
- モノを紛失するリスクが高まる
というデメリットもありますが、住めば都とはよく言ったもので、住んでいるうちに徐々に慣れていく事が多い
また、将来結婚する可能性がある方は、寮生活を経験しておくことで結婚後にパートナーの悪い一面を知ってしまった場合でもうまく合わせられるようになる
ということになります。
いまどきトイレ、風呂、食堂、洗面所が共同の寮なんて少ないかもしれませんが、シェアハウスでも似たような経験ができます。
できれば人生の早い段階で一度は赤の他人との共同生活を体験し、「世の中にはいろんな人がいること」を自分の体験を通して理解してみてください。
いろんな人がいることを知っておけば、自分と違う価値観の人に出くわした時もイライラしたりせずに、
いつも穏やかな気分でいられますよ!
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