この記事では、仕事でのミスを減らす方法について紹介します。
新年度に入り、部署が変わって新しい仕事を始めたり、使ったことがない新機材を使いはじめたりする方がいると思います。こういう時期にはミスがたくさん起こりますが、なるべくミスや間違いは減らしたいものですよね。
どうやったらミスが減らせるのか?
ミスを防止する有効な方法はなにか?
これらを知っておくことで仕事でもプライベートでもミスが減らせます。
他人からの評価を上げたり仕事の生産性を上げたりしたい方、新人の教育係を任されている方は必見ですよ!
人はミスをするのが普通
まず大前提として「人はミスをする生き物だ。」ということを知っておきましょう。
人為的なミスを完全になくすことは不可能ということです。
じゃあミスをなくすのを諦めるのか?というとそうではなく、完全に無くすことはできなくても減らすことはできるので、間違いが起こりにくくなるようにシステムを変えます。
システムを変えるとはどういうことかというと、ミスの原因となった根本的な部分の仕組みや制度そのものを変えてしまうということです。
なにかミスが発生しそうになったら、その時点ですぐに警告してくれる仕組みを組み込んだり、ミスが発生した時点でその後の業務が全てストップするような仕組みにしたりします。
たとえばコンビニ等のお店では、仕入れる商品の発注個数をパソコンに入力する際、個数を間違えてしまうミスが起こるそうです。
これを防ぐには、予め商品ごとにアラート個数を設定しておき、この個数よりも多く発注したときには自動で警告表示が出るようにしたり、そもそもある一定上の数は発注できなくなるようにしておきます。そうすれば、「うっかりミスでおにぎりを3000個仕入れてしまった」みたいなミスが防げます。
どんなに注意してもミスは防げない
ミスを防ぐときに一番愚かな対策方法は「次から気を付ける」というものです。
さきほども書いたように「そもそも人はミスをする生き物」なので、どんなに気を付けていても、どんなに注意深く行動していたとしても、いつかは必ずミスを犯します。そのため「気を付ける」というのは、ミスをなくす上では全く意味がありません。
ミスをした人はよく「自分の注意不足で迷惑が掛かり、申し訳ありません。次からは気を付けます!」と言います。
しかしどんなにその人は気を付けたところで、システムを変えない限りはまた同じミスは起こります。
- そもそも人はミスを犯す
- システムを変えればミスは減らせる
という前提で考えると、自分のミスを認めて「次からは気を付けます」という人よりも、むしろ「〇〇と××を間違えてしまって…。」「アレとコレを勘違いしてしまいました」など、苦しい言い訳をしてきた人の方が、まだ見込みはあります。
同じミスが起こらないように、
- 〇〇と××を間違えないようにシステムを変える
- 勘違いが起こらないようにシステムを変える
など、問題点が明確なのでミスの再発防止策が取りやすいからです。
ミスが起きたら「気を付ける」「注意する」のではなく、同じミスが起こらないようにシステムを変えるようにしましょう。
ミスが起こらないシステムの良い例
ミスをなくしたければ、「安全管理が必要な危ない機械」「危険物の管理」を参考にするといいです。
裁断機の安全装置
僕は会社に勤めていたころに「裁断機」を使ったことがあるのですが、裁断機はミスが起こりにくいシステムが組み込まれていました。
裁断機は紙を切断するためのギロチンのようなものなのですが、その気になれば人の腕でも簡単に切断できるくらいの切断力を持っています。
自分の腕を誤って切断してしまうような事故が起こりうる、危険な機械です。
事故が起こらないようにするため、僕の会社にあった裁断機では「裁断面の下側にある”左右に分かれたボタン”を”同時に押さないと起動しない”」という安全装置が組み込まれていました。この安全装置により、裁断機の運転中に使用者が間違って自分の腕を切り落とす事故が防げます。だって両手でボタンを押さなければならないんですから、腕を切り落とす心配ありません。
これでも裁断機の使用者以外の人がその場にいた場合は事故が起こりうるのですが、少なくとも一人で作業しているときの事故は減らせます。
毒物・危険物の色、におい
毒物や危険物に色やにおいを付ける方法もあります。
たとえば都市ガスににおいはありませんが、わざと特徴的なにおいを付けることでガス漏れが起こった際にすぐに気付けるようにしています。
ガソリンや農薬などの危険物も、自然界に存在しないような
- オレンジ
- 濃い紫
- 濃い緑
などの色を付けることで誤飲を避けるようにしています。
ミスを減らす良い例としては他にも、
- 色を変える
- 形状を変える
- 保管場所を変える
といった方法もあります。
「形が似ていて間違えた」「種類を間違えた」というミスを防ぐ参考にしてください。
ミスを防ぐシステムの悪い例
ミスを防ぐために組み込んだシステムのうち、悪い例もご紹介します。
手っ取り早く対策がとれるからと言って、
「簿冊」
「チェックリスト」
を作るのは、悪い例です。
僕が勤務していた会社では何かミスや事故が起こるたびに新しい簿冊が作られていたのですが、全く機能していませんでした。
仕事で使う機械の動作テストを毎朝行って確認項目にチェックを入れなければならなかったのですが、どんなに注意深く確認テストしたところで見落としは起こります。
また、忙しいときや急いでいるときには確認が雑になるし、そもそも動作テストをするのが面倒くさいので、ちゃんとテストせずにチェックマークだけ入れる人も出てきます。チェックリストを見て責任者が印鑑を押す簿冊もあったのですが、その印鑑を部下に預けていつでも好きに押せるようにしている場合もありました。
制度だけが独り歩きして形骸化しており、まったく機能していません。
ということで簿冊やチェックリストはミスを防いだり事故を減らしたりするには有効ではないので、ミスをなくすために簿冊やチェックリストを作るのはやめましょう。もっとも愚かな対策方法です。
まとめ
「ミスをなくすにはシステムを変えるのが有効」という話をしてきました。
- 人は必ずミスを犯す
- どんなに気を付けてもミスはなくせない
- ミスをなくす(減らす)には、ミスが起こらないように仕組み自体を変えるべき
- ミスを防ぐ有効なシステムは、危険物や危険な機械を参考にすると良い
- 簿冊やチェックリストはミスの防止に有効な手段ではない
なにかミスが発生してしまったのであれば、それはそもそもミスが発生してしまうようなシステムになっています。
ミスが発生するシステムでは、時間を変え、場所を変え、人を変え、何度でも何度でも繰り返し同じミスが発生します。システムを変えない限り同じミスは何度も発生するので、ミスを減らしたければシステムを変えるようにしましょう。
新年度に入り、新人教育をする立場になったり、これまで経験したことがない新しい業務に就いたりする方が多い時期です。 同じミスが何度も繰り返されると、仕事全体の生産性が下がったり、会社の信頼を失うことにもつながります。
新人がミスをしたときには
「このミスを防ぐにはどのようなシステムにしたら良いか?」
自分がミスをしてしまったときには
「同じミスをしないために、どのようなシステムにすればよいか?」
を考え、実行し、何度も同じ失敗を繰り返さないようにしましょう!
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