久しぶりに近所を散歩してみたら、空き家がたくさんあってビックリしました。みんなどこへ行っちゃったんだろう?
今回は「田舎の住民はどこへ消えてしまったのか?」というお話です。
東京一極集中時代
本題の「田舎の住民はいったいどこへ行ってしまったのか?」ですが、
- 若者は東京へ
- 高齢者は老人ホームへ
というのが答えだと思っています。
まずは若者の話から。
僕は埼玉の片田舎に住んでいますが、地元の友人の半分くらいは東京へ行ってしまいました。そして残りの半分は地元に住んでいます。
女性は結婚してまだ地元に住んでいる人とか実家暮らしを続けている人の方が多いです。
田舎からの流出先となる東京都の人口は、2035年くらいまで増え続けると予想されています。
国の統計資料によれば他の道府県から東京圏へと流入する人の年齢は10代後半から20代前半の若い人が圧倒的多数なので、「若者は東京(都会)へ」というのは統計的にも体感値とあってますね。
東京圏は一貫して転入超過が続いています。
僕が住んでいる埼玉県も「東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)」に含まれているはずなんだけど、僕の地元は人口流出地域みたいですね。全然増えてない、むしろ減ってる。
空き家が増えていく
若い人が減って親世代が取り残されると、空き家が増えます。
「歳を取って家のメンテナンスがキツくなった、今の家は手放して老人ホームへでも入ろうか」と思っても、長年住んでいた家の引き取り手がいないからです。都会へ出ていった子ども達も欲しがらないですしね。
仮に息子や娘世帯が近所に住んでいたとしても、毎月家賃の支払いに追われているような状態でもない限りは引き取ってはくれません。
住む人がいなくなり、需要もないので家だけが取り残されていきます。
僕の母方の祖父母はまだ存命なのですが、地元の介護付き老人ホームに入居しています。母の実家は空き家となり、今は誰も住んでいません。
祖父は「お前が結婚して家が必要になったら使ってもいいよ」と僕に言ってくれているけど、すまんな、彼女いない歴〇年の僕が使わせてもらう日がくる可能性は限りなく低い。
こうして田舎の住民は徐々に東京や老人ホームのようなところへ移動し、誰も住んでいない空き家だけが後に残っていきます。
野村総合研究所の2016年の資料によれば、これから空き家の戸数はどんどん増えていくそうです。そして2033年には日本の総住宅数の30.4%、およそ3軒に1軒が空き家になります。
「両隣のうちどちらか一方は空き家」っていうイメージです。
これは「日本全体で」の話なので、東京のように人が集まってくる場所ではそこまで酷くはなさそうですが、僕が住んでいるような田舎、さらにもっと過疎が進んだド田舎では「両隣が空き家」とか「10軒中5軒が空き家」とかが普通になるかもしれません。
そうなったらスーパーや飲食店、コンビニといった営利企業は撤退を始めるし、不便で住みにくい場所になってしまいます。
そうなれば「便利な東京に住もうかな」と考えて引越す人が増えるのは自然だし、すでにそうなっている地域はたくさんあると思います。
不便な場所よりもお店がたくさんあって便利な場所に住みたくなるのは当たり前のことだし、人間は意外と寂しがり屋ですから、人がたくさんいる場所に住みたくなるのも当然です。
こうやって徐々に、東京一極集中の流れと老人ホームでの共同生活への流れは加速します。そしてそれと反比例するように、田舎はいまよりもっと寂れていくのでしょう。
僕も最近になって、いま住んでいる地域の過疎化が進んでいるのをヒシヒシと実感しています。
田舎に住んでもすぐに飽きる
過疎化が進んでいる田舎をなんとかしようと、移住やIターン、Uターンを促進している団体があったり移住を後押ししてくれる自治体もあります。
「田舎は自然が豊かでリラックスできるし、時間がゆっくり流れるからいいなあ~。」
こんな声も聞きますが、たぶん住んだらすぐに飽きると思います。
ディズニーランドだってたまに行くから楽しいのであって、毎日行ってたらさすがに飽きるでしょ。
「毎日が楽しくて笑顔溢れるスローライフ」が送れるのはとなりのトトロの中だけです。
ということで田舎から人が消えていく現象は誰にも止められず、まだしばらく続きます。
もしもこの流れが止まり逆流するとすれば、
- 東京で大地震が起きて「東京は怖い。住めない。」と逃げ出す人が増える
- ベビーブームが起きて東京の人口が爆発的に増えて住める場所がなくなる
- 住環境、娯楽などで、東京よりも田舎の方が有利な条件が整備される
といったことがない限り無理です。
災害は起きない方がいいけど、他の2つはどちらも実現できていないので田舎では今後も人が消えていくんでしょうね。
田舎の未来は暗いなあ…と絶望感に打ちひしがれました。
田舎の未来は明るくないですが「それでも田舎に住みたい!」という方は、まずは2拠点生活をしながらお試し感覚で住んでみるのが良いと思います。田舎の現実がわかります。
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