エスクロー・エージェント・ジャパン(6093)から株主総会のお知らせが届いたので、優待内容や事業の内容、気になった点について解説します。
株主優待の情報や利回りについてはこちらの記事でまとめています。
事業内容は不動産
エスクローAJがどんな会社なのか知らなかったのですが、どうやら不動産関連の会社みたいです。
「エスクロー」という単語の意味について調べてみたところ、商品の買い手と売り手の仲介業をすることをエスクローと呼ぶそうです。
- 買い手はエスクローエージェントに代金を預ける。
- 売り手はエスクローエージェントへの入金を確認し、買い手に商品を発送する。
- 買い手は送付された商品を確認し、エスクローエージェントに商品の到着を報告する。(当初の取引内容と異なる場合は、商品の返送または取引破棄をすることができる。)
- エスクローエージェントは売り手に代金を送金し、売り手は代金を受領する(取引の終了)。
ウィキペディアから
パッと思いつくだけでも、
- Yahoo!オークションなどのネットオークション
- クレジットカード会社
が似たような業態として思いつきました。
エスクロー・エージェント・ジャパンでは不動産業に特化した業態でエスクロー事業を行っており、不動産オークションの手数料収入などで売上をあげているみたいですね。
株主優待はクオカード
エスクロー・エージェント・ジャパンは優待銘柄として有名で、100株以上の保有者には1000円相当のクオカードが届きます。
しかも1年以上の継続保有者には追加で1000円のクオカードが届くとか。
株価が500円のときに100株購入した場合(投入資金5万円)だと、利回りは2%、1年以上の保有で4%になります。
まだ株主優待のクオカードは届いていませんが、株主総会のお知らせが届いたということは株主名簿に僕の名前が記載されているということなので、これから届くのを楽しみに待ちたいと思います。
株価は低迷中
優待内容は良いのですが、日本では
- 少子高齢化
- 不動産の過剰供給
- 空き家の増加
…と、不動産業界はジリ貧です。
それを見越してか、株価は低迷中。
僕が買ったときからもだいぶ値下がりしており、含み損が8000円以上になってますね…。
他の日本企業にも言えることですが、これから先、日本は高齢化が加速するとともに人口が減っていくので、内需(日本国内で商品を消費する産業)は厳しくなっていきます。
エスクロー・エージェント・ジャパンも海外展開でもしない限り、日本国内だけで事業を継続していくのは厳しそうです。
あまりにも事業が厳しくなってくると「優待改悪」や「配当の撤廃」なども起こりえるので、その点だけ注意していきたいと思います。
参考資料に目を通す
株主総会のお知らせには、総会の参考資料として
- 事業内容の報告書
- 連結決算の決算書類
なども記載されていました。
正直なところ僕としては株主優待がもらえればそれでよかったので、これまではこういう書類は中身を見ずに捨てていました。
ですがこれからは一通り中身をチェックして、よくわからない部分があったら解決するようにするつもりです。
というのも、世界的に有名な投資家であるウォーレン・バフェットの本の中に、
『企業が出す資料の中によくわからない部分があるなら、その企業の株を買うべきではない』
と書かれていたからです。
自分にとって都合の悪い部分は、わざとわかりにくいように書いたり素人が読んでも理解できないように書いたりするのが普通です。
そのため、企業から送られてきた資料を読んでもよくわからない内容だった場合は、事業内容になにか後ろめたい部分があると考え、株を持っている場合は売ってしまった方が良いそうです。
僕もバフェットを真似して今後は企業が発表する資料の内容を確認し、資料の書き方が分かりにくいものは売る方針でいきたいと思います。
【5月22日追記】
ひととおりエスクロー・エージェント・ジャパンの事業内容などに目を通しておきました。
読んでみて僕が気になった部分は、以下の3点です。
- 生産緑地の2022年問題
- 株式分割
- インサイダー取引
1、生産緑地の2022年問題
僕の知らないキーワードだったので調べてみたところ、2022年から土地に関する法律(生産緑地法、1992年施行)が期限を迎え、大量の土地が売り出される可能性があるようです。
一度に大量の土地が売りに出されると、土地のたたき売りが起こり地価の暴落を招きます。
また、生産緑地とは住宅地内にありながら建物がたっていない土地で、かつ、生産緑地としての指定を受けている土地らしいのですが、2022年に生産緑地の指定期限が切れると、アパートなどの建物を建てて税金を安くしようとする人がたくさんでてくるそうです。
そうなると、ただでさえ住宅が余っているのに新築のアパートやマンションが乱立することになります。
需要をはるかに超える供給が起こることになり、住宅価格の下落を引き起こします。
2、株式分割
エスクロー・エージェント・ジャパンは過去に何度も株式分割を行っていることがわかりました(平成27、1:5分割。28年、1:2分割。29年、1:5分割。)。
株式分割は1つの株を2つ以上に分割することで、1株当たりの株価を半分以下にする制度です。
株式分割することで1株当たりの株価が下がり、投資家たちは株を買いやすくなります。
エスクロー・エージェント・ジャパンでは何度も株式分割を繰り返すことで株価を下げた経歴があるのですが、個人的にはちょっと「きな臭い」と感じました。
株式分割の例としては、過去にライブドアなどが株価を釣り上げるために行っていたのですが、純粋に「投資家たちが買いやすいように株を分割する」のではなく、「株を買いやすくすることで買い需要を呼び起こし、株価を釣り上げる」ために分割しているような気がしたからです。
エスクローAJの真意はわかりませんが、少し気になりました。
3、インサイダー取引
平成30年3月16日に、エスクローAJの元役員が内部情報をもとにインサイダー取引をしていたことが発覚し、金融商品取引法違反の事実認定をしています。
これによるペナルティとして課徴金の納付などが起こるようなので、経営状況に対する不安を感じました。
以上の3点が気になった部分です。
今後の不動産業界の見通し
エスクローAJは不動産関連の企業ですが、今後の不動産業界への見通しと課題を以下のようにまとめています。
- 中古市場の拡大
- 相続手続きの拡大
- 生産年齢人口の減少
- ネット取引の拡大
この4つに対応できない不動産屋は、淘汰されるということです。
不動産業界は縮小段階にありますが、その中でもうまく事業を継続してゆき、会社の売上維持を頑張ってもらいたいと感じました。
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