僕は普段は政治に興味がありませんしブログに選挙ネタや政治ネタを書くのは御法度とされているらしいのですが、世間では選挙熱が高まっているようなのでたまには書いてみます。選挙なんて興味ないよーという方はもちろん、これから選挙に立候補する方やお手伝いをする支援者の方々にも読んで頂きたいです。
まずはじめに「選挙ってうるさくね?」って話から。
選挙の時期になると毎回のように選挙カーや立候補者・ウグイス嬢の演説に対して、
- 音(声)がうるさくて迷惑
- 演説のがうるさくて学校の授業を妨害された
- 朝の忙しい時間帯に渋滞が発生しているから何ごとかと思ったら、先頭に選挙カーがいてノロノロ運転していた。この忙しい時間帯にふさけるな
- 昼寝のために子供をようやく寝かしつけたのに、近くで選挙の演説が始まって起きてしまった
- 選挙の演説がうるさくてテレビの音が聞こえない
こういった苦情を近所で聞いたりTwitterでみかけたりするようになります。
選挙カーのルール(法律)について
当ブログの読者さんは選挙に立候補する方よりも立候補しない方のほうが多いと思いますので、一応選挙カーのルールについて簡単にご説明しておきます。まずは名前を連呼していて「うるさい」件について。
なぜ名前を連呼するのか?
僕のようにひねくれた人間はうるさい候補者がいると「はいはい、わかったわかった。あんたには投票するなってことね。」という思いを強くしてしまうのですが、あの名前の連呼には公職選挙法という法律が関係しています。
(車上の選挙運動の禁止)
第百四十一条の三 何人も、第百四十一条の規定により選挙運動のために使用される自動車の上においては、選挙運動をすることができない。ただし、停止した自動車の上において選挙運動のための演説をすること及び第百四十条の二第一項ただし書の規定により自動車の上において選挙運動のための連呼行為をすることは、この限りでない。
つまり走行中の選挙カーの上で政策を細かく説明することはできないので、せめて名前だけでも覚えてももらおうと連呼するわけです。ウザすぎ。
これについては政策を簡潔にまとめ、たとえば
- 子どもの多い地域では「中学卒業までの教育無償化+名前」の連呼
- 高齢者の多い地域では「公共交通機関の高齢者限定パスの拡充+名前」の連呼
で対応すれば得票率が増えるし名前の連呼よりも迷惑度が下がるんじゃないかな…と感じます。
選挙活動ができる時間帯・場所について
(連呼行為の禁止)
第百四十条の二 何人も、選挙運動のため、連呼行為をすることができない。ただし、演説会場及び街頭演説(演説を含む。)の場所においてする場合並びに午前八時から午後八時までの間に限り、次条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上においてする場合は、この限りでない。2 前項ただし書の規定により選挙運動のための連呼行為をする者は、学校(学校教育法第一条に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。以下同じ。)及び病院、診療所その他の療養施設の周辺においては、静穏を保持するように努めなければならない。
「朝から選挙カーが走っていてうるさい」「早朝から演説している者がいてうるさい」と感じたことのある方が多いと思いますが、立候補者が市民にアピールできる時間帯は【午前八時から午後八時まで】と公職選挙法で定められています。
そして学校や病院など静かにしなければならない場所では、法律にも静かにしてくださいと書いてあるわけですね。学校の校門の前に選挙カーを停めて堂々と選挙活動している様子を以前Twitterで見たことある気がするのですが、普通に考えて迷惑なのでそういうことをやってはいけないんですな。
授業時間外だろうと休日だろうと、学校の建物内には勉強している人や部活動に励んでいる人がいるわけで、彼ら、彼女たちの勉強やクラブ活動を”音”で妨害するのはいかがなものかと…。警察で取り締まれないのか?
そもそも選挙の声は騒音にしか感じずうるさいです、警察は取り締まれないの?
選挙カーや立候補者の街頭活動はスピーカー(拡声器)を使い、意図的に大きな音を出しています。うるさいです。迷惑なので警察で取り締まってほしいです。
似たような例としては右翼の街宣車もありますが、こちらは各自治体で暴騒音条例などを作り規制しています。主に警察の警備課や機動隊が専用の計測機器で音の大きさを計測しながら、一定時間内に何デシベル以上の騒音を出していたら警告、警告を出してもやめないようであれば検挙…みたいに取り締まるそうです。大使館の前や米軍基地とかでたまに見かけますね。僕は以前神奈川県内に住んでいた時期があるのですが、領土問題やミサイル問題がニュースになると休日の度に韓国総領事館や朝鮮総連の前で街宣車 vs 警察のバトルを見ることができました。
各自治体の暴騒音条例は主に右翼団体を取り締まることを目的としているため、同じようにスピーカーで音を出していても選挙カーや焼き芋の巡回販売はうるさくても検挙しないのが通例とか。
特に選挙については所轄の知能犯係が担当しているそうですが、公職選挙法との絡みがあるうえに下手に取り締まって選挙妨害だと訴えられるとマズいので、積極的には取り締まらないそうです。もっと積極的に検挙してほしいですけどね。仕事してくれ、警察。
ここまでは市民からの「選挙はうるさい」「選挙は迷惑」についての現状確認でして、それを踏まえたうえで選挙活動をする側である立候補者、選挙カーの運転手さん、ウグイス嬢さん、選挙を手伝う支援者の方々へのお願いをつらつらと書いていきます。
選挙カーの運転手さん、ウグイス嬢、立候補者へのお願い
まずは選挙カーを運転する方と立候補する方へ。
地域の交通状況に合わせた速度で運転してください。「法定速度・規制速度を守っている」「選挙活動として法律で認められた時間内だけ走っている」のはこちらも重々承知していますが、道路交通状況は生き物であり24時間同一の交通量なわけではないことはご存知のはずです。そのため街宣する地域・時間帯に合わせた速度での運転が求められます。
朝の街中は混みあいますし、みんな仕事に行くため急いでいます。そんな時間帯・場所にノロノロ運転の選挙カーが1台でも走っていれば、他の方にとっては迷惑以外のなにものでもありません。
そもそも出社するために朝から街中にいる市民は、いわゆる現役世代の方で選挙があっても投票しない世代です。どうせ棄権する人たちに宣伝しても意味がありません。選挙に立候補する方たちの主なお客さんは高齢者、仕事を引退した老人たちのはずですので、彼らが家でのんびりしている日中だけ街宣するのが効率的です。
そして街宣活動でマイクパフォーマンスする立候補者、もしくはウグイス嬢さんへ。
「私に清き一票をください」「最後のお願いにまいりました」などと騒ぎ立てても、周りにいる人からすれば不快でしかありません。知らない人から「ください、ください。」「ちょうだい、ちょうだい。」とねだられると、人は不快感を抱くからです。
おねだりをするのであれば、票をもらう代わりに自分(立候補者)が提供できる対価を提示しましょう。むしろおねだりはせずに、自分が提供できる対価だけを示していった方が好感度があがります。具体的には、自分がやろうとしている政策と、その政策によって市民が得られるメリットを話します。
人はメリットが無ければ行動しません。「私に投票すれば市民の皆さんはこんなメリットを受け取れますよ」ということを市民が理解できるように丁寧に説明しなければ、投票行動にはつながらず当選もできません。
これが戸別訪問して商品券を配ったりすると公職選挙法に違反(利益供与)して逮捕されますが、政策として訴える分には問題ありません。「ください、ください。」と物乞いのようにねだるのではなく、自分が提供できる対価を示してください。
またそれと同時に、「安倍は政権はダメだ」など現政権の批判や他人の悪口を言うのもやめましょう。聞き苦しいですし、悪口を聞いて気分をよくする人はいません。たとえ悪口に賛同してくれる人がたくさんいて当選できたとしても、いずれは自分も悪口を言われるようになるだけです。
立候補するということは少なくとも政治的なリーダーになりたいと考えているはずです。他人の悪口ばかりを言いふらし不貞腐れている人で、立派なリーダーになれた人を僕は知りません。他人の批判ばかりするのではなく、リーダーとして相応しい言動をしてください。
以上、一市民からのお願いでした。
市民の考えを理解し、明るい未来を提示してくれる立候補者に投票する
いろいろ書いたのですが、選挙活動中に実行してくれる立候補者はゼロに等しいでしょうね。選挙に立候補するような方で「いんたーねっと」を見ている方は少ないでしょうし、僕のブログの情報発信力も低い。
そのうえ選挙は老人票、高齢者票をいかにかき集めることができるか?が勝負です。したがって耳の遠くなった高齢者に聞こえるように大きな声で街宣する必要があるし、立候補者側も選挙カーの運転手やウグイス嬢に対してそのように指導しているはずだからです。
それでもやはり街頭演説の声はもう少し小さくしてほしいですし、選挙カーで街宣する時間帯・場所・速度も考えてほしい。「市民の声を代弁する」つもりで立候補しているのであれば、市民からの「選挙はうるさい」「選挙カーは迷惑」という声も理解してるはずです。
そしてなにより、他人を批判するのではなく「俺に投票すれば住んでいるひとたちにはこんなメリットがあるよ」と、明るい未来を提示してくれる立候補者に僕は投票したいです。
僕は選挙の度に暗い気分になるのですが、たとえ実現可能性はそれほど高くなかったとしても明るい未来を提示してくれる立候補者がいればもっと明るい気分になれると思います。そしてそういう明るい方に人は付いてくるし、人々は票を入れたくなるのではないかと感じました。
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