投資の対象になる商品はいろいろありますが、ちょっと変わった投資用商品として、この記事では「アンティークコイン」について書いてみます。
数年前、僕の知り合いにアンティークコインが好きな方がいて、その方に教えてもらった話です。
アンティークコインの値段の付け方
アンティークコインの値段はピンからキリまであり、1枚数億円するコインもあります。
手のひらに乗っかるような小さなコインが、何を根拠に数億円もの値段が付けられているのか?
5つのポイントがあるそうです。
地金の重さ
地金(じがね)というのは、金そのもの、金の延べ棒のことです。
コインの形になる前、加工前の原材料としての「金」だと思っておいてください。
金の価格は株価や為替、野菜の値段などと同じで日々変動しています。
日本における地金価格は日々の変動に加えて産出国(オーストラリアなど)の為替の影響を受けるのですが、2018年6月時点だと「1グラム=4600円前後」です。
コインは1枚当たり10~40グラムくらいなので、不純物が混ざっていない純金製のコインの場合はグラム数に応じた値段が付きます。
デザイン
アンティークコインのデザインも価格に影響します。
コインの表・裏には人物の顔や動物、建物、楽器、風景などのデザインがありますが、人気のデザインと不人気のデザインがあります。
アイドルのグッズやトレーディングカードと同じで、人気のデザインほど値段が高く、不人気のデザインほど安くなりがちです。
僕がざっと調べてみた感じだと、女神(アテネなど)のデザインが入ったコインは人気があり、それ以外のデザインはあまり人気がないように見受けられました。
もう亡くなっている方など実在の人物をデザインにする場合は、その人物の人気度によってもコインの値段が変わるようです。
作った年代
作った年代が古ければ古いほど、アンティークコインは値段が上がりやすいです。
これは古い絵画や壺、ギターが高価になりやすいのと同じですね。
最近作られたばかりの新しいコインにはプレミアが付きませんが、古ければ古いほどプレミア価格が付いて高価になりやすいです。
コインの保存状態
保存状態が良いコインほど値段が高いです。
- 小さな傷の有無
- 欠けた部分は無いか
- 表面に着いた汚れ
- 曲がり、反りがないか
などをチェックして、保存状態が良かったもの、傷や汚れがないコインほど値段が付きやすいです。
発行枚数(希少性)
コインは発行枚数によっても値段が変わります。
同じ重さ、同じ製造時期、同程度の保存状態のコインが2枚あったとしても、発行枚数の違いによって値段に雲泥の差が付きます。
たとえばアメリカ大統領の夫人をデザインにした「ファーストスパウズシリーズ」は、デザインによって発行枚数が3000~2万枚程度です。
それに対してオーストラリア政府が発行している「カンガルーコイン」は毎年10万枚以上も発行されており、希少性が全然違います。
発行枚数が少ないコインほど値上がりしやすいと覚えておきましょう。
偽物、贋作について
素人がアンティークコインを見ても、それが本物か偽物かを判断することはできません。
いちおうアンティークコインには主要な鑑定機関が2つあって、そこで出された鑑定結果によってだいたいの値段が決まります。
コインショップに行くと鑑定結果が見れるので値段の妥当性をアピールされるらしいのですが、
- そもそもその鑑定結果が正しいものなのか?
- コインショップ自体が怪しい店ではないのか?
ということは誰にもわかりません。
そのため、コインショップを信用し、そのお店で売っているコインだから本物のアンティークコインであり、そして値段も妥当なものであると信頼するしかありません。
怪しいお店で手に入れたコインは偽物の可能性があり、数十万円で買ったコインが全く価値のないゴミである可能性もあります。
つまり、ショップ選びが全てを決めるわけです。
僕が知人から聞いた話では、いまのところ日本ではアンティークコインを扱っているお店の数は非常に少なく、偽物を売るとすぐに噂が広まって利益を出せなくなるので、それなりに信頼できるお店しか営業していないそうです。
アンティークコインを収集しているコレクターの数も少なく、変な商品を売ってしまうとすぐにコレクターの情報網に噂が広がって店の信頼がなくなるので、ちゃんと調べたコインだけを販売しているとか。
海外だと事情が違うようですが、いまのところ日本のショップで買うコインなら「本物」である可能性が非常に高く、偽物を掴まされる危険性はほとんどないそうです。
アンティークコインのまとめ
知人から聞いた話をまとめただけですが、今回の内容をまとめます。
アンティークコインは
- 地金の重量
- デザイン
- 製造時期
- 保存状態
- 発行枚数
によって価格が決められる。
日本のアンティークコインショップは信頼できるお店が多く、偽物を掴まされる危険性は低い。
…ということですね。
アンティークコインは仮想通貨やFXのように短期売買を繰り返して差額で儲けるような投資商品ではありません。基本的には買ったら一生売らないつもりで購入するタイプの商品です。
しかし自動車や不動産のように値下がりすることがほとんどない商品なので、「守りの資産」として持っておくと良いかもしれません。
ネットで探すといくつかの専門店が見つかるので、気になった方は一度覗いてみてください。
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