たまに見かける「ハッ!」とする新聞広告の魅力。いまだに新聞はマスメディアの王道なのだと思い知らされます。

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最近、新聞を読んだって人はいますか?

僕の家は新聞を契約しているので毎朝新聞が届き、ほぼ毎日読んでいます。

ネットニュース全盛の時代に「オールドメディア」「オワコン」と言われる新聞ですが、内容はともかくとして広告媒体としてはいまだに大きな影響力を持っています。そのため新聞に広告を出す企業は途絶えず、また、幅広い年齢層の人が目にすることもあって面白い広告や奇抜な広告を見かけることもあります。

思わず見入ってしまう出来映えの広告を見つけたのでご紹介します。

何の広告なのかまったくわからない。でも、興味を惹かれる

これ↑見てもなんの広告なのか全っ然っわかりませんよね?

なんとなく文字が欠けているのだということは理解できますが、何を使えたいのか全く理解できません。中ほどに書いてある文章も行が抜けているように見えますが、完全な文章は推測できません。

ところが、この広告、下の方に とある”メッセージ”が書いてあるんですよ。

この面を表にして空にかざせ だと…。

言われた通り、空にかざしてみると…

!!!!

広告が印刷されていた面の裏側に、先ほどの文字から欠けていた部分を補う内容が印刷されており、光にかざすと文字が浮かび上がるという仕掛けになっていました。

なんというトリック!

不自然に行間が空いていた文章も、このとおり。

裏側から見ると、こんな風になっています。

新聞を1ページ目から読まずテレビ欄側から読んでいた人は、裏返しに文字が印刷されているのを見て混乱したでしょうね。

影響力があり二次拡散効果もあった優秀な広告

広告は目立ってナンボ。影響力を与えてこそ存在意義があります。

今回ご紹介した新聞広告は不自然さを出すことで人の注意を惹き、光にかざすことで広告全体を表示させ、見た人をビックリさせたという意味において、影響力は大きかったと感じました。

ラルク・アン・シエルの30周年アニバーサリーがこの新聞広告によって集客できたかどうかは定かでありませんが、少なくとも人の注意をひける仕掛けが施されており、さらには僕のような物好きな人の手を介して二次拡散されたことから考えても、この広告は文句なしの優等生であると評価できます。

ちなみに、僕が最近またハマっている「左ききのエレン」によると、新聞広告の片面全部を使った広告はおよそ4000万円の出稿料がかかるとあります。

さすがに4000万円はウソやろ~。大昔の新聞が全盛期だった時代の話でしょ!と思ったのですが、参考までに朝日新聞の広告出稿料金を調べてみたら、全国版のモノクロ 片面(全15段)39,855,000円、カラー 片面(全15段)47,435,000円とありました。ほう…全面(片面2面分)でおよそ9000マンエンか…。やるじゃん…。

まだまだオワコンじゃない新聞広告。広告の勉強にもなる。

新聞はネットニュースや個人ブログ、SNSとは違い、一度掲載してしまったら手直しができないということ、また、古くからあるメディアという点から社会的な信用は高いとされています。

記事の内容を読むとそれほど信頼感は高くないと感じてしまう部分もありますが、一般的には「新聞は信用できる」とされているんです。

そしてそれだけ信頼されている媒体だからこそ影響力も高く、掲載する広告の料金も跳ね上がり、広告内容もハイレベルなものが誕生します。

新聞広告は出稿にお金がかかるので、広告効果の高いものだけを掲載することになります。何回も定期的に新聞広告を出しているメーカーでは、ABテストなどで常に効果をチェックしていたりするので、広告に携わる人にとっては生きた資料としても重宝されています。

時代はネット広告や動画広告に移りつつありますが、新聞広告はいまだに健在ですし「広告のプロ」たちがしのぎを削っている世界でもありますので、広告やマーケティングに興味がある方は新聞広告をチェックしておくとよいでしょう。

おまけ

冒頭の広告が出ていた前日には、「左ききのエレン」のワンシーンを切り取ったと思われる漫画風広告が出稿されていました。

漫画風広告は数年前から存在感を表しており、LP(ランディング・ページ)と呼ばれる縦長の広告ページや、ウェブサイトの端に現れる四角いバナー広告にも使われています。

ストーリー性があると人間はついつい読みたくなってしまうため、絵(視覚)とストーリー(物語)を組み合わせた漫画風広告は広告効果が高い(広告を見た人が商品購入などの行動を起こしやすい)そうです。

広告って「セールス」とか「無理矢理買わせる」という悪いイメージが持たれがちですが、注意深く見ると意外と面白かったりします。暇つぶしにもなるので、たまには注意深く見てみましょう。

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